熱中症について その2
2010年8月2日

熱中症は、体温維持しようとする生理現象の異常ですから、「体温を正常に維持できない」と身体が判断すれば、初期症状が発生し、この時の体温上昇はまだありません。が、その後体温は上昇するしかありません。

体温維持の役割を担っているのが、汗です。

汗をかくことで身体の内側の熱(深部体温)を放出しています。その「汗」は、単純に言うと血液中のナトリウムの濃さを利用して血液の水分を染み出させています。ナトリウムは生命維持に大切な成分なので基本的には体外へは排出しません。しかし極わずかに損失してしまうため、汗はしょっぱいのです。

普通に汗かく程度ならいいのですが、大量となると、身体の水分を損失する(脱水)とともに、ナトリウムの損失も多くなり、生命維持が困難となります。

汗として出せる水分がなくなると当然尿も出ませんし、体温は上昇するしかありません。危険極まりない状況で、緊急入院、集中治療して運良く命を取り留めても脳障害の後遺症は残るかもしれません。

大量な発汗はないように、暑熱環境は短時間にしましょう。